#終わりのない旅 〜田崎慎也〜

[ やる以上、偽物は嫌だ。バイクが好きな気持ちは本物でありたい ]

良く言えば気分転換のためですが、 ほんとうは音楽から逃げるために バイクに乗っていたんでしょうね。俺にはひとりの時間が必要だったんです」。
『バイク乗ろうぜ』のタイトルでブログ、YouTubeを展開。BikeJINでも連載をもつ田﨑慎也さん。2008年、バンドでメジャーデビューし、アニソンやゲームなどの楽曲を手がけてきた。
「バンドは窮屈でした。お互いの行動を制限したりとか、ファンにこういう見せ方をしなきゃいけないとか。

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そういう束縛がある中で、自由人である俺にとってバイクは自由の象徴。バイクに乗っているときは誰にも何も言われないし、その時間だけは自由でした」。
2013年、バンドが解散。ソロギタリストとして活動するも思うようにいかない田﨑さんに道を示したのがバイクだった。
「バイクはずっと好きだったし、俺は好きなことしかやりたくない」とライターやWeb構築の勉強をし、流行していたモトブログやYouTubeを開設。アクセスが増えていく中、Youtubeに自らの楽曲を使ったところ好評だった。
「バイクに集中しようと思っていたら、結局、音楽と両方、わけることなくやれている。
音楽から逃げるためにバイクに乗って、ひとりになって逃げてバイクに行ったら、音楽がついて来ちゃった」。

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ロングツーリングにも行くしサーキットも走る。それは仕事のためだけではなく、パートナーであるゆかちんさんと過ごすプライベートも同じ。
ミュージシャンにとってのバイクは、音楽性を示すためのファッションと訝しむ人もいるかもしれない。しかし表現・発信が中心にある田﨑さんの両脇には、音楽とバイクがいつも伴走しているようにみえる。
メディア界隈にいると、様々なしがらみや制約の中で本当のことを隠したり、ときに嘘を発信してしまう人もいる。そのとき、もともと持っていた『好きなこと』を見失ってしまいがちでもある。

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「表現する理由、発信する理由ですか? それは、好きだから、ですよね。表現が好き、発信が好き。自分がやることで偽物って嫌です。音楽も本物でありたいし、バイクが好きな気持ちは本物でありたい。 だから、嘘は絶対にNGです。自分が思ったこと、感じたことを等身大のまま発信していきたい。おかげさまで発信する場は増えてきていますが、これから制約も増えていくのでしょうね。でも、そこで戦ってもいいと思っています。俺のメディアは自由ですから」。

「人前に出るのは好きだけれど、ひとりの時間は必要。作曲も原稿執筆もひとりで 没頭する創作活動です。それに、バイクに乗っている疾走感とか、そういうもの からインスピレーションを受けて作曲しているのはバンド時代から変わらない」

2019 Booyah Vol.5より